あさばで湯上がりのシャンパンを - 伊豆・修善寺温泉


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お風呂上がりにいただくシャンパンは
格別に美味しい、と
教えてくれたのは、あさばでした。

温泉でじゅうぶんに温まったからだに浴衣をまとい
素足のまま縁側の椅子に座る。
キリキリに冷えたシャンパンをひとくち、いただく。

これ、極楽。

柑橘の果肉のかけらがほどけていくような味わいと
ミストをまとったホワイトローズがはらはらと散るような香り。
なーんていうフレーズが、しゅわしゅわ浮かんでは消えてゆく。

温泉は味蕾までもリフレッシュする効果があるのかしら?

それとも・・・。

ちりちりと喉ではじけた液体が
あたまのずーっと奥にある重い扉を、軽々開けてしまうのでしょうか。




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いただいたのはクリュッグのグラン・キュベ。

ムッシュかまやつさんの Je m' appelle MONSIEUR というCDの
「ソー・ロング20世紀~ムッシュ,音楽に目覚めた頃を振り返る。」という曲。
彼が好んだ素敵なモノたちの固有名詞をモノローグしているのですが
その最初のフレーズが「クリュッグの凍る寸前のやつ」なのです。
( 上記CDタイトルのリンク先で、まさしくこのフレーズが試聴できます)

無類のシャンパン好きなのだという
ムッシュのお好みを試してみたいと思いつつ
あちこち機会あるごとに注文しまして、飲んでみましたが。

凍る寸前なクリュッグはもちろん
キンキンに冷えたシャンパンさえ
なかなか巡り会えるものではありません。

シャンパンの適温は4〜9℃ なのだとか。
冷やしすぎると繊細な味と香りが閉じてしまうのですね。

凍る寸前などという注文は特別にお願いしておくか
自宅でストックするしかないようです。

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しかしながら、ここ、あさばのクリュッグは
本当に気持ちよく冷えています。
湯上がりに美味しくいただけるように
かなり低温でストックされていると思われます。

それに、このグラン・キュベ。
私には冷やし過ぎくらいの方が
酸の具合がちょうど良いようです。

凍る寸前に近い冷たさを少し楽しんだあとはグラスを置いて
静謐な森に対峙して、しばし時を忘れましょう。

やがてふっと思い出してグラスを手に取れば
ふくよかな香りに出会えるという寸法です。

この日、夕食をお願いしたのは6時30分。
新緑の森に帳がおりてくる寸前
沼から鷺が上がってくるのを発見しました。

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by Margaux2004 | 2009-06-17 01:13 | Trip